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チュートリアルの話 #ロミアス

「まだ、何か用があるのか?」
 >結婚のやり方が知りたい
「まずは結婚したい相手の友好度を上げるんだ。酒を飲んでいる相手とは気持ちいいことができ、友好度を上げることができる。まずは私で試してみるといい」
(あなたはロミアスにクリムエールを渡した)
(気持ちいいことしない?)
「……上出来だ。見事に友好度が魂の友まで上がったようだな。この方法の他にも友好度を上げるアイテムが存在するが、どれも高価なものばかりだ。試しに君の足元に結婚指輪を置いた。それを拾い、Gキーで渡してみるんだ」
(ロミアスはにやりと笑った)
「この指輪と友好度を失いたくなければ、無理矢理取り上げないことだ。ふふ……最後に、結婚だな。結婚したい相手を選択し、婚約を申し込んでみてくれ。……よし、これで私と君は夫婦だ」畳む

二次創作,NPC,掌編

ロイターが囚われる話 #ロイター

 手首に走る赤い線から溢れた血は重力に従って床に滴り落ちる。両手は荒縄で縛られ、傷口を押さえることはできなかった。あまり時間を無駄にすれば血を失うだろう。生きる為に男の要求を飲むか、誇りを捨てずに死ぬか。しかしロイターを捕らえた男は耳元で囁いた。
 ――捕らえられたのはお前だけだと誰が言った?
 男はロイターの知る者の名前を一つずつ口にしロイターを煽る。虚言だと確かめる術もない。ロイターには初めから選択の余地など無かったのだ。
 天井の梁を通りロイターの腕へと繋がっている縄がぴんと張られ、無理矢理両腕が上げられる。傷口は心臓より上へ。これで流れる血は幾らか緩やかになるだろう。しかし状況は何も変わらない。男が下穿きを下げ長棒を取り出し、既に堕落しているそれをロイターの眼前に露にした。
 言葉にされずとも何が望みなのか理解できないほど馬鹿ではない。急かすように縄を引かれ血が腕を伝った。ならば言葉にせずとも何を望むか理解してもらう。ロイターは長棒を受け入れるべく口を開けた。畳む

二次創作,NPC,掌編

止まった時の中のマニの話 #マニ

 *tick*
「やってくれたな。裏切り者め」
 *tick* 止まった時の中、自身の足音だけが鳴る空間に一人取り残されたマニは銃に弾を込めた。
「私のシモベ――と呼ぶのもこれで最後か」
 *tick* 模範的な信者は数多くいたが、最愛のシモベだと囁いたのはただ一人であった。それが、こうもあっさりと裏切るとは。静寂に撃鉄を起こす音が響き、銃口はシモベの心臓を狙う。
「共に過ごした時は刹那に等しかったが、私はお前を……」
 *tick* 静止した時の中では聞こえるはずもないが、口にすることで整理を付けておきたかったのかもしれない。しかしそれを告げる前に、時は再び動き出した。一瞬にして目の前に現れた神に凍りつく間も与えずに引き金を引く。シモベは何が起きたか理解出来ぬまま死ぬだろう。
 宝玉に、ウィンチェスター・プレミアム。もうマニがこのシモベに与えられるものは無い。だから裏切られたのか、得る物を得て去ったのか。今となっては分からないが再びこちらを振り向かせ繋ぎ止めることが出来ないのであれば、こうするしかない。
「……私も、甘いものだな」
 裏切り者の粛清と言うべき行動であるにも拘らず不思議と恨みは抱かなかった。怒りも無い。ただ虚無だけがマニの心を侵していた。畳む

二次創作,NPC,掌編

マニと最後の選択の話 #マニ

 神が生まれることを知った。現在機械を司る《機械のマニ》は信者も少ない。このままでは神の座を奪われてしまうであろうマニは、助けを求めあなたへ手を伸ばした。
「*プレイヤー*よ、手を貸してくれないか」
 あなたはマニを……


 →助ける
 マニを見捨てることなど出来なかった。あなたは差し出されたマニの手を取り、かつて彼から賜った古の散弾銃を握らせた。
「今度はお前に守られる側になるとはな」
 信者の数は少なくとも、信仰心は負けてはいない。マニは愛銃――ウィンチェスター・プレミアムを誇らしげに構えた。


 →見捨てる
 一度マニを信仰していたとはいえ、今更彼に荷担する必要性を全く感じなかったあなたはマニの手を振り払った。新たな神を信仰すればより良いアーティファクトが貰えるかもしれない。――マニは邪魔だ。
「……そうか。残念だ」
 あなたはマニのかつての愛銃を誇らしげに構えた。畳む

二次創作,NPC,掌編

マニの元信者の話 #マニ

「やってくれたな。裏切り者め!」
 愛する信者の改宗に、マニは激昂した。忠実なるシモベ、信者の模範とまで言わせた信者は溜め込んだ弓を一心不乱に祭壇へ捧げていた。
「限りある短い生を私の元で消費していればいいものを、よりによって、あのルルウィに! これは私に対しての辱めか。お前に与えた私の全てを持ち去るのか!」
 その元信者は神の声を聞くエンチャントを外したのだろう、マニの声に耳を貸さない。
 祈りを捧げ、新たに下僕を賜ったルルウィ信者を見下ろしながら、クミロミがマニの肩を叩く。
「あの信者は、下僕を牧場で飼い殺しにするつもりだよ。僕の妖精の一匹は、あの女たらしに売られていったんだ……」
 その言葉の通り、ルルウィの下僕の黒天使は牧場へと送られた。元より、この信者は神を『信ずる者』『信じ仰ぐ者』ではなかったのだ。畳む

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