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201-300
見えてないのはほんとだよ
初めから全て嘘だったように
あなたの優しさが私を魔物にした
散るか落ちるか
刃に子猫の戯れを
最後まで深く届かせて
世界を救えたとしても
たった一人を救えない
季節も巡り巡り
心はとうに捨ててきた

愚者の行進
知ってしまえば戻れない
引き止めるには弱すぎて
最後のわがままを聞いて
夜を泳ぐ尾
あなたがいるから私が生きてる
初めから何も始まっていなかった恋
未練と同じくらい
あなたになりたかったのかもしれない
闇の中の光

掠れた文字の本音
夏の落とし子
壊せなかった関係は壊れ始めていたのに
差し伸べられた手はすり抜けて
あなたの光
肌で感じるように
さよならじゃないけどお別れだね
言葉は呪いのように
星々を抱く夜
黒猫を抱いて

待っていたのに待っていたのに
いつだって掴ませてくれない
隣にいるのは私じゃない
研ぎ澄ます痛みが溢れても
あなたの幸せを願っていました
届いてはいけない距離まで
堕ちた獣
時間が距離を近くするなんて
あなたをうまく見送れていましたか
熱を冷ますようね

確かに笑っていた
あの色をもう思い出せない
芽吹きを待てず
素足ならどこまでも歩いて行ける
悲しみはざらついて
アメジストは眠る
重ねた手のひらが語るなら
硝子一枚に心ひとつ
追憶は眩暈を描いていた
瞬きの間に
260
君のことをどこかで知ってる
触れない痛みで君を殺す
最初からずっと一緒だった
きっと君は優しすぎる
迷いなく刃を踏むのなら
光さえ失わずにいて
割れた鏡
滴り落ちる黒曜の感情
歩みを止めることはできない
影のように光を追う

聞こえていたのは声なき叫び
純粋な願いに背中を押されながら
一番深いところを晒した共犯者
それが誰かの為だと言うのなら
自分の事には目を逸らしていて
君が目を逸らすなら僕だけは見ている
まぼろしの残した傷跡
思い出の寄せ集め
だから足りないひとつに
その感情は暗い言葉で誤魔化して

優しい夢なら永遠でいて
誰かを犠牲にして生きてしまった
どうしようもないお人好し
二人きりの儀式をしよう
記憶の中の存在
はたして僕を何と呼ぶ
痛みさえも愛しげに
選ばれなかった選択肢
命がいくつあっても足りないのなら
今なら全部知ってる

何にも染められず、無垢なるままに
あなたが白、私が黒
争いの切欠は、いつも些細なことで
命の水、肌を伝う蜜
恋の味、失恋の味
大人になる、その一口目
甘い糸、ほどけて
私の舌先が、騙されるまで
愛されるなら、苦いのが好き
空に溶ける、遠い海の波

私の中に白線を引く
月曜には君の骨を食べる
寒がりなのはまるで君だね
全部砕いて飲み込めるなら
触れるにはあまりにも脆く
一番の不幸になりたい
花いろの帯
一番理解していたつもりの
死に場所を求めるよりも
それを君は盾と呼ぶ