心臓に鉄条網
足は折りなさい手は祈りなさい
鯨たちは自殺する
心を殺したこともないくせに
僕だけが君の敵になろう
月の裏側で君を待つ
今から君のことを考えてあげようか
ブルー・ベリー・シー
鼓動が泣き止むまで
絶え間なき水晶の海
シャッタースピードより速く
名前はもう無い。
ようやく嫌い同士分かり合えたね
金のカーテン
拒絶が私を強くする
不具の人形
最後の海
救われる祈りだというのなら
君の後ろで笑っていたいから
はてなき孤独の海に
騙されてあげる
甘い話はお嫌いでしたか
影よりも近くに
フォーン・ブースを知らぬ子ら
月を見るより深い青
吐き気がするほど嫌いでありがとう
「私は嘘吐きです」
祈り折々
こう見えて冷え症なんだ
夜は明日の焼け野が原
眠らせてくれない羊たちに捧ぐ
星より多く月より遠く
せめて今は同じ時を生きよう
心臓だけじゃ釣り合わない
こんな水じゃ酔えやしない
絶滅危惧種の歓声
魔法は爪先がとなえる
わたしの赤い林檎
月盗人
銃声はひとつ、獲物はふたつ
合わせ鏡のドッペルゲンガー
さよならとバイバイどっちがいい?
三度目の春
どうせ君なんかって思われてもいい
琥珀糖なら食べてあげられる
手のひらで、あるいはベッドで
あなたの好みをまだ知らずにいる
その中のいくつを覚えてられる?
無重力ダイビング
記録より記憶がいい
いつか海に帰るときには
骨は拾って洗っておいて
それとも娼婦がお望みかしら
見え透いた嘘
もしこの好意が無重力なら
全部ミキサーにかけちゃえ
2000年もはるか昔
最後の夜明け
(空白、そして溜息)
はたしてあなたに暴けるかしら
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聞こえたなら届けて
本の山、文字の海
171118 - 171126
夜長文庫