雪の果てに至る追憶

初めて私を見てくれた人
雪が全てを覆い尽くして
泣いてる場合じゃないのはわかってる
うまく笑えていますか?
突き動かしていたのはそれだけではなく

忘れ形見は大空をゆく
さよならも言えずに
雪のようにとけていく
あなたのように誰かを愛せたら
いいところ探し

この翼は育ての親に似ているね
だから、夕陽が嫌いだ
凍える夜が恐ろしいから
今も私の光だった
カップの熱より伝わるもの

誰にも言えずに秘めた復讐
今だけは私事を
主のいない椅子
次の私ならあなたといけるでしょう
縋ってもいいですか

いつだって守ってくれていたじゃないか
本当はまだ喪失を信じきれていないのだ
ただ失われる真紅は本物だった
私だけのこの家には誰もいない
ずっと差し伸べられていたもの

また犠牲になろうとしている
あなたの愛する世界の為なら
積もる話をただ静かに聞いていて
私だけの銀のつるぎ
雪の果てに至る追憶